病気に備える

入院で「かかるお金」&保険で「もらえるお金」

    入院のイメージ

    病気やケガで入院したら実際にどれだけのお金がかかるのか気になるところ。
    医療保険は本当に必要なのか、いくら備えておけば安心なのか実態から探ってみよう。

    入院でかかるお金

    治療費以外にもさまざまな費用がかかる

    入院したらいくらお金がかかるのか、心配しているものの具体的なイメージがわかない人も多いことでしょう。

    下表は主な疾病での平均的な入院日数と費用ですが、日数は1~2週間がほとんど。入院時の平均費用は、70万円弱かかっているがんを筆頭に数十万円必要というのが現実です。
    病院へ支払う医療費は健康保険の対象なので、自己負担は3割。高額療養費制度が利用できるため、1カ月あたりの自己負担額は多く見積もっても10万円程度です。

    ただし、問題は健康保険の対象外となる費用。その多くを占めるのが差額ベッド代です。個室などを希望した場合だけでなく、ベッド数が4床以下の部屋が対象となるため、特に希望しなくても、病室の空き状況などで4人以下の部屋を選択せざるを得ないケースでは同意すれば差額ベッド代は自己負担となります。状況によっては同意せざるを得ないので、差額ベッド代も必要な費用と考えて備えておいたほうがよさそうです。費用は1日当たり5,250円以下が約6割を占めている一方で5,251~10,500円が23.8%と最も多くなっています。そのほかに食事代や雑費なども必要です。

    疾病別、入院日数・入院平均費用額

    差額ベッド代の金額

    入院は短期化でも医療費負担は増えている

    入院日数は半減。一方で医療費は負担増に!

    がんは長期入院が必要というイメージがありますが、実は以前に比べて入院日数は大幅に減少しています。
    下表は直近9年間の推移グラフですが、9年前は1カ月前後かかっていた入院が、平成26年は平均2週間程度になっています。
    完治するまでにはその後も通院による治療を行うケースも少なくありませんが、入院期間は短縮傾向にあることがはっきりしています。

    一方で入院した場合の自己負担額は上昇傾向に。高額療養費制度があるとはいえ、それ以外の支出も増加傾向にあります。また、がんなどの治療を中心に先進医療を受けるケースも増えていますが、その技術料は下表のようにかなり高額です。先進医療費は健康保険の適用対象外なので高額療養費の対象とならず全額自己負担です。一般の人が貯蓄でどうにかできる金額ではないので、いざというときに最善の治療を選択したいと考えるなら、先進医療費の保障がある医療保険で備えるのが現実的でしょう。

    また、がんでの入院日数の短縮傾向と費用負担の増加を考慮すると、入院給付金をメインの保障とした医療保険よりも、がんと診断されたときにまとまった一時金が受け取れる保険のほうが安心という考え方もできます。

    最近の新しい保険ではそうした実態を反映して保障内容も多様化しています。どのような形でどれだけの保障を得たいのかをよく考えたうえで必要な保障を確保することを検討しましょう。

    先進医療の技術料