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ドラッグストアで保険に入れる?

    ドラッグストアのイメージ

    「マツキヨ」で医療保険の販売が開始

    2017年12月、マツモトキヨシホールディングス(HD)は、ドラッグストア「マツモトキヨシ」の一部店舗で医療保険の販売を開始しました。販売するのは、第一生命ホールディングス傘下のネオファースト生命の医療保険「ネオ de いりょう」、「ネオ de いりょう健康プロモート」、「ネオ de 健康エール」の3商品。
    まずは、「マツモトキヨシ」の調剤併設店8店舗と、美容と健康に特化した新業態店舗「matsukiyo LAB(ラボ)」の6店舗で販売が開始され、順次取扱店舗を拡大する予定だという。保険商品のパンフレットを店頭に設置し、加入希望者にはマツモトキヨシHDの子会社であるマツモトキヨシ保険サービスが電話や郵送で商品を販売する。

     

    業務提携で顧客に健康寿命の増進を促す

    今回の提携には、「いつまでも美しく、健康で豊かな生活をおくれるよう奉仕する」をモットーとして事業の新展開を進めるマツモトキヨシと、「保険で健康になろう」をコンセプトとする保険商品を開発を試みる第一生命グループとの思惑が合致しての取り組みとなった。今後は、双方の持つビッグデータを活用した新たな商品・サービスの開発などを検討していくとしています。

    マツモトキヨシ保険サービスでは、これまでグループ内の従業員向けに保険を販売していたが、今回、事業領域を消費者向けに拡大する形となります。店頭で取り扱う3商品は、喫煙状況や健康状態によって保険料が割引されるもので、ドラッグストアに訪れる健康志向の高い消費者のニーズを取り込めると見ています。

     

    業界に先駆けた第一生命の取り組み

    第一生命グループは、2017年2月に調剤薬局大手の日本調剤とも業務提携を結び、一部店舗で保険販売を開始しています。さらに、同年10月には業務提携の第2弾として、日本調剤の提供する電子お薬手帳「お薬手帳プラス」が、第一生命の健康増進アプリ「健康第一」内の契約者向けのプレミアムメニューで提供されるお薬手帳機能に採用されました。薬の管理や薬局への処方せん送信機能などで、利用者の健康増進に貢献します。

    第一生命グループは、2105年に国内でいち早く「InsTech(インステック)」を提唱しました。「InsTech」とは、「保険(Insurance)」と「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた造語で、ビッグデータやAIなどの最新テクノロジーを活用し生命保険事業独自のイノベーションを創出する取り組みのこと。保険業界では、「InsTech」の一環として異業種との連携が強まりつつあります。保険会社の持つ加入者の健康診断データと、他社が保有するさまざまなデータと組み合わせてテクノロジーを活用することで、生命保険の新しいビジネスモデルを創出することを狙っています。

     

    異業種との業務提携が加速する保険業界

    また、異業種から保険ショップへの参入も近年相次いでいます。2015年10月には日本生命保険がニトリHDと提携し、ニトリの一部店舗内で保険代理店を展開。2016年9月には保険のビュッフェとヤマダ電機が提携して店舗に保険ショップを併設、NTTドコモも首都圏のドコモショップで生損保9社の保険販売を開始しました。異業種の保険販売チャネルの中でも、特に業界から注目が集まっているのが調剤薬局やドラッグストアです。調剤薬局やドラッグストアの来店客は、健康に高い関心があり医療保険などの需要が大きいと見られているのがその理由だす。調剤薬局チェーンを運営するファーマライズHDも、2017年10月から調剤薬局併設型ドラッグストアの一部店舗に保険代理店スタッフを常駐させる取り組みを行っています。

     

    現在、調剤薬局やドラッグストアが保険商品の販路として確立されつつある。今後も生命保険会社と異業種間の業務提携、販売チャネル拡大の動きは進むと予測されます。