保険の基礎

保険でがんに備える

    がんのイメージ

    がんの新常識とは…

    多くの人が、がんが発病する=死ぬというイメージや、長期の入院を要する手術が必要、高齢者ほどがんになりやすいというイメージを持っているのではないでしょうか。死ぬというイメージに関すると、確かに、日本人の死因順位1位はがんで28.7%を占めていますが、罹患率で見ると、子宮がんなど部位によっては死亡率が10%、乳がんに関しては早期発見で、5年生存率は約95%です。また、がん治療は医療の進歩とともに変化しており、平均入院日数は平成14年に28.9日だったものが平成23年には19.5日(厚生労働省 患者調査)と10年で10日近く短くなりました。その一方で、放射線治療や薬物療法で通院しながら治す治療が増えてきています。このように医療の進歩とともにがんの常識も変化します。それに連動して、がん保険も変化しています。

    がん治療にかかる費用の内容

    現在の日本でがん治療の主流となっているのが手術・化学療法・放射線治療の3つ。おおよその目安として、手術には30~130万円、化学療法には100万円、放射線治療には100万円ほどの費用がかかります。もちろん健康保険や高額医療費制度を利用することが可能ですので実際の負担額がそれほど大きくなることはありません。しかし、がんと切っても切れないのが転移・再発という性質。完治まで時間がかかるがん治療はその分費用もかさみます。また通院治療を選択する場合、期間によっては数万から200万円代までかかることも。そこで、診断給付金や一時金、退院給付金などがもらえるがん治療に寄り添った保険が必要となるのです。

    がん治療の変化に応じた保険の選択を

    がん治療は入院から通院へとシフトしています。そのため、入院費よりも通院治療時にかかる費用を保険で補う必要が出てきます。従来のがん保険は「一時金+入院+手術」という主契約が一般的でした。現在は、入院給付金を外し「治療別の給付を出すタイプ」の保険が登場し、主契約を通院の治療で最もメジャーな放射線治療とホルモン剤治療を主契約とする保険なども出てきています。また、がんと診断されてから「まとまった一時金を出すタイプ」の保険もあります。このタイプの保険は、がん告知時に一時金として100万円などが支払われる保険なので、治療の為に自由にお金を使うことができます。今後のがん保険の選択は、治療費に給付金を出すタイプか診断されてまとまった給付金を出すタイプのどちらかを選択するのが現実的でしょう。